「最近、うちの子がやたら後をついてくる」
そう気づいて、うれしいけど、ちょっと心配……そんな気持ち、ありませんか?
私が暮らしていたはちわれ兄弟のソラとリクも、シニア期に入ったころから、 じわじわと甘えん坊になっていきました。 長年クールだったソラが膝に乗ってきたとき、正直びっくりしたんです。
老猫が甘えるようになる理由は、ひとつではありません。 年齢による自然な変化のこともあれば、 体のどこかに不調を抱えているサインのこともある。
まずはその違いを、一緒に見ていきましょう。
老猫が急に甘えるようになる5つの理由

甘えるようになった理由5つをみていきましょう。
老化による不安感の増加
若い頃のようには、動けなくなってきた。
それだけで、猫の心の中には少しずつ不安が積もっていきます。 行動範囲が狭くなるにつれ、 飼い主のそばが「いちばん安心できる場所」になっていくんです。
ひとりで過ごすのが怖くなって、寄り添ってくる。 それは、弱さではなく、あなたへの信頼のあらわれかもしれません。
認知機能の低下
猫にも、人間でいう認知症に似た状態が起こります。 「認知機能不全症候群」と呼ばれ、15歳を過ぎたころから増えてくる傾向があります。
夜中に突然鳴き出したり、 同じ場所をぐるぐると歩き回ったり。 そんな変化、最近気づいていませんか?
認知機能が落ちると、不安感が強くなります。 甘えが増えたと同時に、こんなサインが出ていれば注意が必要です。
- 夜鳴きが増えた
- 同じ場所を歩き回る
- トイレの失敗が増えた
- 昼夜が逆転してきた
体調不良や痛み
猫は、具合が悪くても声に出しません。
鳴いて訴えるのではなく、ただ静かに、飼い主のそばに来ます。 「なんとなくいつもより近いな」と感じたとき、 実は体のどこかが辛いことがあるんです。
シニア猫に多い病気として、こんなものがあります。
- 腎臓病
- 関節炎
- 甲状腺機能亢進症
- 口内炎・歯周病
甘えが増えたのに加えて、食欲が落ちたり、元気がなさそうなら、 早めに動物病院へ。
視力・聴力の低下
目が見えにくくなる。音が聞こえにくくなる。
それだけで、猫の世界はぐっと頼りなくなります。 「飼い主の姿が見えないと鳴く」「常についてくる」という変化は、 センサーが弱くなったぶん、人の気配で安心しようとしているのかもしれません。
性格がやわらかくなった
これは、悪い理由じゃありません。
年齢とともに気性が落ち着いて、 触られることが好きになる猫は少なくないんです。 若いころはそっけなかったのに、 シニアになってから急に甘えてきた、というのはよくある話。
食欲もあって元気そうなら、 「ようやく心を開いてくれたのかな」くらいの気持ちで受け取ってあげてください。
食欲もあって元気そうなら、
「ようやく心を開いてくれたのかな」くらいの気持ちで受け取ってあげてください
甘えと病気を見分けるチェックポイント

甘えてくること自体は、何も悪いことじゃない。 でも、こんなサインが重なっていれば、受診を考えてみてください。
受診を検討したいサイン
- 食欲が落ちた
- 水を飲む量が急に増えた・減った
- トイレの回数が変わった
- 体重が落ちてきた
- 毛づやが悪い
- ぐったりしている
- 夜鳴きや徘徊がある
様子を見やすいケース
- 食欲がある
- 排泄に問題がない
- よく眠れている
- 好物や遊びへの反応がある
- 甘えた後は落ち着いて過ごせる
老猫が甘えてきたときの接し方

甘えてきたら、こう接しよう
できる範囲で、そっと応えてあげる
近くに来たとき、やさしく名前を呼んで、頭をひとなで。 それだけで猫は「ここにいていいんだ」と感じます。
忙しいときでも、少しだけ手を止めてみてください。
猫のペースに合わせる
過剰に抱っこしたり、遊ばせすぎたりすると、 体力を奪ってしまうこともあります。
離れたそうにしたら、そっと手を放す。 それが、老猫との距離のとり方です。
環境を整えてあげる
シニア猫は、環境の変化に敏感です。
- 暖かくて段差のない寝床
- トイレや水場は近くに
- 大きな音はなるべく避ける
- 毎日の生活リズムをできるだけ一定に
積み重ねることが、 落ち着いた毎日につながります。
こんな甘え方は、早めに相談を

次のような様子があれば、できるだけ早く動物病院へ。
ぐったりしながら近づいてくる 横たわったまま寄ってくるのは、体調不良のサインかもしれません。
鳴きながらすり寄ってくる 痛みや強い不安を、声と体で訴えていることがあります。
食欲が落ちたのと同時に甘えが増えた 内臓の疾患や、口の中のトラブルが隠れていることがあります。
最後に
甘えてくる老猫の姿は、たまらなくかわいい。
でも、その奥にある小さなサインを見逃さないことが、 長く一緒にいられることにつながります。
「なんかいつもと違う」と感じたら、 それが受診するタイミングです。 あなたの直感を、信じてあげてください。